失業手当は離職と同時に支給される訳ではなく申請手続き後に7日間の待機期間があります。
失業手当を申請する人は例外なく、この失業給付を受給できない待機期間という待ちの期間があります。
退職理由が自己都合の場合は、ハローワークでの手続き後に3ヶ月間の給付制限があり、その後に失業認定を受けて初めて受給になります。
つまり、ハローワークに離職票を提出してから、約4ヶ月後にやっと失業手当の振込が確認できます。
初回の振込まで退職から4ヶ月って結構長いですよね。
自己都合退職で失業手当をあてにすると、家計は火の車です。
でも、すぐに再就職しない方にはそれぞれ理由があるともお察しします。
この記事まで辿り着いてくださった皆さん。
失業手当3ヶ月の給付制限なしですぐに受給する方法をご紹介しますので参考にしてください。
申請から失業手当の受給までの流れ
まずは失業保険の申請から受給までの流れは以下のとおりです。
- 管轄のハローワークに行き、離職票の提出や求職の申し込みをする
- 就職準備講習会に参加する
- 雇用保険説明会に参加する
- 説明会で「雇用保険受給資格者証」を受けとる
- 失業認定日までに、求職活動を行う
- 失業認定申告書に求職活動内容を記入し、雇用保険受給資格証と共に認定日に提出する
- 失業が認定されたら、失業手当が支給される
- 給付期間の間、4週間に一度、失業認定を受ける(5〜8を繰り返し)
自己都合での退職の場合
自己都合の退職では、3ヶ月間の給付制限があります。
失業手当をもらうには失業認定が必要ですが、自己都合退職の場合は3ヶ月の給付制限があり、この給付制限の間は失業認定を受けることが出来ません。
会社都合での退職の場合
倒産や解雇、退職勧奨など会社都合の退職では、3ヶ月間の給付制限なしで失業手当が受給できます。
また、退職理由によって同じ年数働いていても給付日数に違いがあり、会社都合での退職の方が、給付日数にも手厚くなっています。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
---|---|---|
失業手当支給開始日 | 7日の待機期間+3ヶ月後から | 7日の待機期間のみ |
失業手当支給日数 | 90日〜150日 | 90日〜330日 |
給付制限 | 3ヶ月 | なし |
国民健康保険免除 | なし | 全額給付免除が可能(最長2年) |
失業手当の申請から受給までのより細かい手順の説明は、こちらの記事でご紹介しています。
給付制限なしで失業手当をすぐに受給する方法1:職業訓練を受講する
3ヶ月の給付制限なしで失業手当をすぐに受給する方法その1は、ハロートレーニング(職業訓練)を受講することです。
職業訓練は、「給付を受けながら、キャリアアップのための知識や技能習得のため、様々な専門課程の訓練を受けることができる公的制度」です。
要は、手当を貰いながら、学校でお勉強できる訳です。
OA事務、貿易事務などのオフィス系だけではありません。
- WEBクリエーター
- 税理士
- ゲームクリエーター
- CADオペレーター
- アパレルパタンナー
- 製靴
- 広告美術など
幅広い講座が用意されており、離職中の人なら基本的には誰でも応募し受講できます。
ハロートレーニング(職業訓練)を受けることによって、給付制限なしで失業手当を受給することが可能です。
更に、コース受講の間は継続して失業手当が給付されるので、給付期間が短く、受講コースが長い人は、お得です。
例えば、自己都合退職で待機期間が3ヶ月、給付期間が3ヶ月の方が、6ヶ月の職業訓練を受講する場合。
職業訓練が始まるタイミングから受給が始まり、6ヶ月の訓練期間中ずっと失業保険が貰えるということになってます。
職業訓練が始まることにより給付制限期間の概念が無くなるので、離職後直ぐに学校に通うことができれば、給付制限ゼロで支給が始まります。
ハロートレーニング(職業訓練)は、応募からすぐに受講できる訳ではなく選考があります。
申し込みから受講開始までの流れはこちらの記事をご覧ください。
全国のハロートレーニングのコース内容が確認できるサイトがあります。
過去のも含めて確認できるので、興味のあるコースがあるか探してみてください。
給付制限なしで失業手当をすぐに受給する方法2:離職事由を会社都合に変更してもらう
自己都合と離職票上はなっていても、事実を説明できる証拠があれば、ハローワークが自己都合から会社都合に変更してくれます。
離職事由が会社都合に変更されれば、給付制限なしで失業保険が受給できます。
会社都合への変更が認められる内容の例は以下です。
- 3カ月連続して月45時間を超える時間外労働が行われた
- 事業主から直接的または間接的に退職をすすめられた
- 給与、労働時間、勤務地、仕事内容などの労働条件が異なる
- 賃金の1/3を超える額が2カ月以上払われない
- 賃金が85%以下に落ちた
- 事業所が法令違反をしているため離職した
- 1ヶ月に30人以上の退職の予定、あるいは会社の3分の1を超える人が退職した
会社都合にするための証拠を準備する
事前に証拠を準備が大事です。
離職後では必要な情報が整わず、いくら口頭で言ってもハローワークで事実の認定できずに変更が叶わなくなってしまいます。
証拠が認められると、ハローワークの職員は会社に直接連絡を取って事実確認をし、場合によっては労働監査局から監査が入ることもあります。
企業が会社都合退職を避けたいがために、自己都合退職を促されるという話はよくあります。
証拠さえ押さえておけば、わざわざその場で会社と揉めて体力を使う必要ありません。
証拠を準備し、会社を辞める際は自己都合退職にしておいて、後日、ハローワークで会社都合退職に変更してもらいましょう。
不安な方は離職前に証拠を持ってハローワークに相談して、内容に問題がないか足元固めておきましょう。
3か月連続して月45時間の残業していれば会社都合に
離職前の6ヶ月間で、3ヶ月連続して月45時間の残業をしていれば、ハローワークで会社都合に変更してもらえます。
この条件は該当者が結構いるのでは?と個人的には思います。
離職の直前 6 か月間のうちに 3か月連続して 45 時間、1月で100 時間又は2~6月平均で月 80 時間を超える時間外労働が行われたため、
厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所(ハローワーク)特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準 より
又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、
事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
36協定では1ヶ月の時間外労働は45時間までと上限が定められているので、3ヶ月連続の45時間を超える残業が会社の違法行為とみなされます。
3ヶ月間の残業時間が毎月45時間以上の証拠が認められれば、離職事由を会社都合退職に変更してもらい、給付制限なしで失業手当が受給出来ます。
業務内容や時期により緊急対応が避けられないこともあり、職種や業種によっては、特別条項付き36協定を結んでいる場合があります。
「〇〇の場合は、時間外労働60時間まで」と特別条項の規定がないかも事前に確認ておきしましょう。
最後に
以上が、失業手当を3ヶ月の給付制限なしで待機期間後に直ぐに受給するための方法でした。
直ぐに働くのが理想とは言いますが、もし退職前に転職先が決まっていない場合は、先立つものは大切なのでこの方法を利用できるかを確認してみてください。
ちょっと休憩の方も、失業手当の支給には毎月の求職活動実績が必要です。
いづれにせよ、求人サイトへの登録だけはしておきましょうね。