職業訓練を受けてみたいけど、何から手をつけたらいいのか分からない方も多いはず。
職業訓練受講経験者から、ベストなスケジュールをお伝えたいと思います。
応募には、「いつから」「何を」準備をしたら無駄がないのか、チェックしておきましょう。
職業訓練に応募するための無駄のないベストなスケジュールは?
職業訓練受講開始から逆算して、無駄のないベストな応募準備の日程はこちらです。
窓口相談がやや早いですが、一回で面談が終わらない時のために、3ヶ月前から動くとスケジュールに余裕があります。
時期 | 活動内容 |
---|---|
3ヶ月前 | ハローワークのハロートレーニング窓口で相談 |
2ヶ月前 | 個別学校説明会参加に参加 |
2ヶ月弱前 | 応募書類を提出 |
1ヶ月前 | 合否確定 |
0ヶ月 | 職業訓練受講開始 |
STEP1: 職業訓練を受ける条件
まず、職業訓練とは。
職業訓練
給付を受けながら、キャリアアップのための知識や技能習得のため、様々な専門課程の訓練を受けることができる公的制度
離職中の人なら、誰でも応募し受講できる、技能訓練です。
より正確にいうと、受講開始時に離職していれば、在職中の応募もできます。
離職している=就職していない=失業となるわけですが、
あえて、ここで無職という言葉を使わなかった理由は、定義がややこしいため。
私たちが思う無職(=働いていない)と、
「職業訓練を受講する意味での無職」は、微妙に定義が違うからです。
雇用保険上の就職は、
雇用形態にかかわらず、雇用保険加入条件を満たしている状態のことを指します。
日払い単発バイトだろうが内職だろうが、就職でなければ、所得を得ていても職業訓練を受講することができます。
もちろん、所得として失業保険手当に影響するので、月毎に就労内容を報告する必要があります。
また、訓練開始時に雇用保険から外れていれば、就職中に職業訓練を応募することが可能です。
手当の不正受給は辞めよう
結構大事なので、手当関連の不正受給についてもお話ししたいと思います。
不正受給はリスクが高いので、絶対に辞めましょう。
不正受給が明らかになった場合は、処分が科せられます。
まず「支給停止」です。
次に「返還命令」です。不正に受給した分の全額を返還しなければなりません。
最後に「納付命令」です。
不正受給分の2倍に当たる金額相当の納付命令がなされます。
命令に従わないと、新たに延滞金の発生や財産の差し押さえが行われることもあります。
最悪の場合は、詐欺罪で刑罰の対象となります。
雇用形態にかかわらず、パート、アルバイト等の名称であったとしても、週20時間以上の継続的な仕事に就いた場合は雇用保険の加入があり、「就職」と扱いとなるので注意が必要です。
不正受給が発覚する理由
不正受給発覚の理由の多くは雇用保険への加入です。
雇用保険の加入条件を満たしていれば、アルバイトでも雇用主が雇用保険への加入手続きをすることがあります。
以前はそんなにバレなかったとも聞きますが、マイナンバーが導入されて以降は圧倒的に不正受給がわかるようになりました。
雇用保険に加入していない単発のアルバイトでも、毎月の失業認定時にはきちんと申告しましょう。
ちなみに、雇用保険を貰っていない人でも一定の条件を満たせば、職業訓練中に職業訓練受講給付金10万円の給付金がもらえます。
私は雇用保険を受給しているのでそもそも条件外だったのですが、ハローワーク担当者の方が気さくな方だったので、興味本位で聞いてみました。
条件外なのに申請したら、実際バレちゃうもんなんですか?
審査は結構厳しいよ。
銀行預金とかも全部調べるから嘘ついてたら絶対分かっちゃう。
と、言われました。
後が怖くて悪いことは出来ないですね。
ちなみに、10万円の職業訓練受給給付金の内容はこちらです。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない求職者の方がハローワークの支援指示により公的職業訓練を受講し、訓練期間中に訓練を受けやすくするための給付です。
支給対象者は?
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)の対象となるのは、次のすべての要件を満たす「特定求職者」です。
1.ハローワークに求職の申込みをしていること
2.雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
3.労働の意思と能力があること
4.職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
支給額
例えば、
●雇用保険に加入できなかった
●雇用保険の失業給付(基本手当)を受給中に再就職できないまま、支給終了した
●雇用保険の加入期間が足りずに失業給付を受けられない
●自営業を廃業した
●就職が決まらないまま学校を卒業した、など。
●職業訓練受講手当:月額10万円
●通所手当 :職業訓練実施機関までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)
●寄宿手当 :月額10,700円
支給の条件
1.本人収入が月8万円以下
2.世帯全体の収入が月25万円以下
3.世帯全体の金融資産が300万円以下
4.現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
5.全ての訓練実施日に出席している(8割以上)
6.世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
7.過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
STEP2: コースを決めてハロートレーニング担当者に相談
就職していれば応募の第一絶対条件はクリアですが、それだけでは応募はできません。
「この人は職業訓練を受ける必要がある」と、ハロートレーニングの担当者の方から、お墨付を得る必要があります。
そのお墨付きの上で、応募書類をもらうことが出来ます。
私は退職前に1回、離職後の面談5回、書類の添削1回、計7回窓口に通いましました。
私の場合は、かなり多めです。
1回でも大丈夫な方も沢山います。
私の場合は、退職前にハロートレーニングの全体説明会に参加。
離職前から職業訓練についての理解を深めといて、いざ個別面談の時にハロートレーニング担当者の方にやる気をアピールしておきました。
コースを決めていたので、そんなに相談することなかったのですが、
ハロートレーニングの相談が、雇用保険の受給条件である就職活動として認められるので、就職活動がてら窓口に行きました。
実際、「誰でも相談したら応募を認めてもらえるのか」と言う点ですが、そうでもないですようです。
私が行った時のこと。
簿記コースをご希望の方が、担当者から応募に関してかなりネガティブなことを言われていました。
経験が既にあるから、簿記のコースなんてあなたには要らないよ。
どうやら、既に長い経理の実務経験があったようで、真正面からハローワーク担当者に職業訓練の必要性を否定されていました。
実務でそれ以上のこと、やられてると思いますよ。
資格取りたいだけなら、個人でも出来るレベルだと思いますよ。
もしかしたら、税理士コース希望だったら、また見解は違ったのかもしれません。
新しいスキルを学び習得するのが訓練の目的なので、
既に技能を身に付けている場合、このようにNG出る場合もあるようです。
(最終的には応募可否についてこの方がどう判断されたか分かりませんが)
私はWEBコースを受講し、全受講生のうち8割初心者でした。
残りの2割も、コーディングはやっていたけど、デザインは初めてな方。
両方経験はあるけど、10年以上前のことでブランクがある方もいました。
受講内容を全て網羅されている方は、流石にいなかったです。
東京都の学校では、近郊の千葉や埼玉から通われている方もいました。
全国の職業訓練のコースが、WEBで検索できます。
希望のコースがお住いの県にない場合は、近郊のコースも見てみてください。
STEP3: 個別学校説明会への参加
職業訓練を受講する気持ち傾いたら、学校の個別説明会に行きましょう。
応募書類を貰うタイミングでも、ハロートーニング担当者に説明会に行ったか質問されました。
説明会への参加には、事前にWEBか電話予約が必要です。
コース内容によっては、一校しか選択肢がない場合もありますが、複数校の中で選べる場合は、学校のカラーが分かり、志望校を選ぶのに役立ちます。
同じようなカリキュラムでも、A校は個人制作、B校はグループ制作など、学校の「推し」が説明会で分かります。
選考の過程で、説明会への出席がマストではありません。
実際、タイミングが合わず出席されていない方でも選考に通った方もいらっしゃいました。
ただ、説明会で学校のカラーがわかり理解が深まるだけでなく、説明会での内容を具体的に応募書類に盛り込むことできます。
意欲をアピールしやすくなるので、説明会への出席はメリットがあると言えます。
説明会はどんな服装で行くの?
説明会に出席する時の服装ですが、デニムにスニーカーを履いて完全に私服で行きました。
男性だとスーツ着用の方もいらっしゃいました。
もしかしたら男性だと私服だとカジュアルすぎるからスーツの方が逆に楽って方もいらっしゃるかもしれませんね。
面接はスーツか、オフィスカジュアル、ジャケット着用で、無難な服装にする方が良いと思いますが、説明会での服装まではチェックされていませんので、ラフな私服でも大丈夫でした。
STEP4: 応募書類は3つのポイントを押さえて志望動機を書こう
応募書類ではこの3つのポイントを押さえて志望動機に盛り込みましょう。
そして、このご時世にマジですか?とも思いましたが、書類は手書き。
これが結構苦労しました。
名前住所以外の文字を書く機会が恐ろしく少ないので、これが全然書けない。
下手くそな字に自分でゾッとしました。
でも、下手でも良いからとにかく丁寧に書くのが大事です。
手書きで書類書く方も大変だけど、読む方も大変。
だから、汚くて読みにくい書類は避けましょう。
ハローワークでは応募書類も添削をしてくれます。
個人的にはオススメ。
書ける文字量が限られているので、どうして全て書ききれず大切な部分を削ってしまいがち。
私も、「東京都が好む感じ」をハローワークでアドバイス頂き、修正入れました。
私は、志望動機で今後のプランについて「WEBクリエーターになりたい!」とは書きませんでした。
ハローワークでの添削時に担当者より。
WEBクリエーターになりたい!
って書かなきゃダメだよ。
学校の説明会では、
WEBクリエーターに突然舵切るのではなくて、
WEBの知識技能をプラスして、これまでのキャリアを生かした再就職を推奨していたので、
そのように書いたんですけど、、、
あら、そう?
だったら「説明会で学校が推奨していたように」と付け加えましょう。
選考する東京都は、学校が説明会で何を推奨していたかを、知らないないから。
WEBクリエーター科だから「WEBクリエーターになりたい」って書かないと落とされちゃうかもしれない。
まあ、この訓練に応募する際のアンパイは、WEBクリエーターになりたい!でしょうね。
私は、WEBクリエーターになりたい!って書きませんでしたが、ちゃんと受かりました。
応募について、他にも注意点があります。
ややこしさ満載なので、日程とコースの確認は怠らないようにしましょう。
- 公共訓練と求職者支援訓練の併願はできません。
- 類似コースがあれば、公共訓練は第二希望まで学校を書くことが出来ます。
- 類似コースが他でもあっても、求職者支援訓練は一校のみしか応募できません。
- 公共訓練と求職者支援訓練は、応募のスケジュールが違います。
まとめ
注意が必要なのは、思い立ってすぐに応募が出来ないという点です。
私は少し日程感でもたつき、待ちの時間が出来てしまいました。
ちょうど良く説明会に参加できる日程で進めるのがベター。
逆算すると、希望の訓練が始まるタイミングの3ヶ月前にハローワークで相談を始めて動き出すのが、
スケジュール的には理想でした。
今後の職業訓練の応募をお考えの方は、スケジュールの参考にしてみてください。