「引き寄せ」「潜在意識」とか聞くと、ちょっと相手と距離を取りたくなったりしませんか?
言いたいことは分かるけど、なんでか嫌。
あなたが感じるその「胡散臭さ」を、私が言語化してみます。
引き寄せの法則って聞くと拒否反応が出る

「引き寄せ」「潜在意識」「創造」「イメージング」「波動」
そういうワードを聞くと、少し警戒する人もいるはず。
新興宗教臭さとか、依存心とかを連想しちゃうのかな。
一旦、ちょっと距離とっておこう的な拒否反応。
私は「めんどくさそう」と思うタイプでした。
ただ、ふと気づいたんです。
英語だと、そんなワードや表現って日常的だなって。
引き寄せ系動画は即離脱
海外に住んでいた時、仲良しだったお姉さんがいました。
私の憧れの人です。
彼女は「visualizationだよ!」「attractionだよ!」とよく言っていました
たまたま、知り合いが引き寄せの法則にハマっていて、「エイブラハムが〜」とか言い出したんです。
そして、思い出しました。
仲良しお姉さんが「attractionでは、エイブラハムの本が有名(別に読まなくても良い)」と言っていた。
つまり、引き寄せは英語圏発の思考な訳です。
彼女が言うのなら、ということで。
思い出したように、YouTubeでエイブラハムや引き寄せ系の解説動画を見てみました。
結果は、速攻離脱。
よく分からない。
日本人が日本語で説明してるけど、英語を直訳した感が否めず、全然腹落ちしない。
逆に、この感じで腹落ちする人は、超センスあります。
引き寄せの法則は英語で読むと解決

しっくりこなさすぎて、YouTube動画はすぐに脱落。
でも、あの私の大好きなお姉さんが言うからには、きっと良い発想なのだろうともう一度挑戦。
今度は、英語の原文で、エイブラハムの引き寄せの法則の本を読んでみました。
そしたらね、驚き。
結構しっくりきたの。
で、気づいたわけです。
そもそもさ、日本語に訳すのは結構難易度高い。
だから、胡散臭さが出てくるんだと思う。
これは言語の問題じゃないくて、言語の背景にある文化の問題。
ちなみに、この見解は言語学者のものではなく、単に私の個人的意見です。
無生物主語を使いこなすのが英語

英語って無生物主語が多用されます。
あれです、例えば「it」。
「何かに導かれて」的な思想がそもそも言語ベースである。
例文「なんで日本に来たの?」を英語で質問
「なぜ、日本に来たんですか?」を英語で言うと、

Why did you come to Japan?
正解です。
でも、実際、あまりネイティブの大人からは聞きません。
何一つ間違っていませんが、英語があまりできない人に分かりやすく質問する時って感じかな?
自分がある程度英語ができるようになってくると、こう言う聞き方はされなくなります。
なんていうか、直接的すぎるから。
上級者はこんな聞き方をします。

What brings(brought) you to Japan?

What made you decide to come to Japan?

What inspired you to come to Japan?
何かに触発されて、日本に来るに至ったその経緯を聞いている感じです。
これを、こんな風に訳したらどうでしょう?
- 何があなたを日本に連れてきましたか?
- 何があなたを日本に来ることを決心させましたか?
- 何が日本に来るようにインスパイアしましたか?
訳して良いんだけど、急に仰々しいんです。
聞いている内容は、「なんで日本に来たのか」です。
でも直訳だと、見事に「何かに導かれている・引き寄せられてる」感が出ますよね。
例文「ロト6でお金持ちになった」を英語で言う
「ロト6でお金持ちになった」を英語で言ってみましょう。

LOTO6 made me rich.
LOTO6が主語になります。
日本語で訳す時に、「LOTO6が私をお金持ちにした」と訳すと随分ドラマチックですよね。
LOTOなら1等とか高額なら、この日本語訳も良いですけどね。
前後の文脈によりますが、これを「I became rich because of LOTO6.」
とは、前後が分からない場合は、私なら言わない気がします。(前後次第)
では、「LOTO6 made me rich.」を日本語訳してみましょう。
「私はLOTO6でお金持ちになった。」が、日本語だと自然。
「LOTO6が私をお金持ちにした」ってLOTOなら可能性あるけど、スケール大きめですよね。
例文「試されてるね」と英語では言う
何か予定外のハプニングが起こり、予定通り物事が進まない時。
例えば、友人との海外旅行。
ストライキで帰国便が飛ばずに空港で足止めの時なんか、使える場面。

It’s testing us.
「いやー、こりゃ試されてるね」って。
そんな感じで言ったりします。
でも、日本語で「私たちは試されています」と言われると。
「え、何に?」みたいな感覚になったりしませんか?
例文「それはうまくいっているサインです」は英語なら言う

That’s a good sign.
これは、英語だと普通に出てきます。
相手の順調な話とか聞きながら、こんな相槌出てきたりします。
感覚だと、「いいね、順調だね」と言う感じ。
「それはうまくいっているサインです」って引き寄せ系でよく見かけるけども、そもそも論。
日本語で「良いサインだね」って、あまり日常レベルでは言わないですよね。
うまくいっているサインとは、吉兆って意味なんだと思うけど。
普段の日常会話で、吉兆って使います?
「それは、吉兆の印です」って。
「良い兆候」とかも、治療の効果が出てきたとか、もう少し大きい出来事に使う気がします。
日英の言語差が気持ち悪さの原因

結論。
引き寄せ系の胡散臭さの原因は、言語背景なんじゃないかと。
「無生物が、生物に影響を与える」使役的な発想が、日本語にはあまりない。
「震災が私を変えた」とか本当に大きい存在以外では、無生物を主語にした使役って日常会話レベルだと使わない気がするんです。
日本語の文化にないものを日本語に訳すから、無駄にスケール大きい感じや仰々しい感じが出る。
「引き寄せ」とか「波動」とか、訳し方が微妙に日本語の言語感覚と合っていないんだと思うんですよね。
- 類は友を呼ぶ
- 朱に交われば赤くなる
- 言霊
この辺の発想って、いわゆる「引き寄せの法則」に通じています。
このワードならは、拒絶反応はそんなにでないですよね?
拒絶反応が出ないあなたは、引き寄せの「発想」自体に相容れない訳じゃないと思います。
ワードのチョイスがしっくりこないんです。
もし、興味ある方は英文で「The Law of Attraction」を読んでみるのがオススメです。
英語感覚を磨くと思考回路が分かる

私の場合は、英語だと「引き寄せの法則」系の発想がすんなり入ってきました。
こういった英語特有の言語感覚を得るには、とにかくネイティブ(もしくは上級者)と英会話が最強だと思います。
無生物主語って日本人は苦手なんですよね。
どうしても、人を主語にしたくなる。
なんなら、自分自身を主語にしたくなる。
「She invited me.」で短文でスッキリなのに「I was invited by her.」と言いたくなる。
だから、ネイティブ(もしくは上級者)との英会話で、相手の表現を真似して盗んでいく。
これが一番。
量をこなせば、英語の言語として分解して勉強しなくても、感覚で慣れてきます。
英語感覚が掴めると、考え方や文化も見えてきて、なかなか面白いですよ。
